紹介手数料・返戻金・「お祝い金」禁止のルール
看護師向けの転職支援サービスの多くは、厚生労働大臣の許可を受けた「有料職業紹介事業」です。求職者は無料で使えることが多い一方、その費用は採用側が負担しています。仕組みとルールを知ると、サービスを冷静に比べられます。
手数料は誰が払うのか
職業紹介事業者が受け取れる手数料は法令で定められたものに限られ、それ以外は「いかなる名義でも」受け取ってはならないとされています(石川労働局「職業紹介事業の概要」)。求人者(医療機関など)からは、上限制手数料または厚生労働大臣に届け出た届出制手数料を受け取れます。
求職者から手数料を取れるのは、芸能家・モデルと、年収700万円を超える経営管理者・科学技術者・熟練技能者の職業に限られています。看護師として紹介を受ける場合、求職者が紹介手数料を払う仕組みにはなっていません。
手数料と返戻金制度は公開されている
職業紹介事業者は、人材サービス総合サイトで次の情報を提供することになっています(2018年1月施行の改正職業安定法)。
- 年度ごとの就職者数と、そのうち無期雇用で就職した人の数
- 無期雇用就職者のうち、6か月以内に解雇以外の理由で離職した人の数(離職したか不明な人の数も)
- 手数料表の内容
- 返戻金制度の有無と内容
返戻金制度とは、紹介で就職した人が短期間で離職した場合に、求人者に手数料の一部を返す仕組みです。労働局は返戻金制度を設けることが望ましいとし、手数料と返戻金制度は求人者・求職者双方に明示することとしています。紹介手数料の実績の公開と違約金規約の明示は、2025年4月1日以降義務化されています。
「お祝い金」の禁止(2021年4月〜)
2021年4月1日から職業安定法にもとづく指針が改正され、「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申込みを勧奨することが禁止されました(社会通念上相当と認められる程度を超えるもの)。転職サービスを選ぶ際、金銭の提供を条件に登録を勧める案内があれば、その時点で注意が必要です。
紹介した人への転職勧奨の禁止
職業紹介事業者は、自らの紹介で就職した人(無期雇用)に対して、就職した日から2年間、転職を勧めてはならないとされています。紹介会社から入職後まもなく別の求人を強く勧められた場合は、このルールを思い出してください。
求職者として確認したいこと
| 確認項目 | どこで見るか |
|---|---|
| 許可を受けた事業者か | 人材サービス総合サイト(確認方法) |
| 就職者数・6か月以内の離職者数 | 人材サービス総合サイトの事業者情報 |
| 医療・介護分野の適正事業者認定 | 日本人材紹介事業協会の認定事業者一覧(解説) |
| 個人情報の取扱い | 事業者のプライバシーポリシー、利用規約 |
相談先・申込先の選び方
紹介会社を選ぶときは、宣伝文句や求人数の多さより、許可の有無、公開されている実績、連絡方法、条件を書面で示してくれるかを確認します。公的な無料の窓口として、都道府県ナースセンター(解説)やハローワークもあります。紹介会社の対応に問題があると感じたときは、都道府県労働局に相談できます。
出典・参照した公的情報
- 石川労働局「職業紹介事業の概要」(確認日:2026-10-12)
- 人材サービス総合サイト掲載資料「職業安定法の改正(職業紹介事業者)」(PDF)(確認日:2026-10-12)
- 鹿児島労働局「民間人材サービスの利用にあたって」(確認日:2026-10-12)
- 東京労働局「『就職お祝い金』などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことを禁止しました」(確認日:2026-10-12)
- 厚生労働省「医療・介護・保育分野の人手確保のために 有料職業紹介事業者を利用される求人事業主の皆さまへ」(PDF)(確認日:2026-10-12)
条件を並べると、次に確かめることが見えてくるね。